ソフトウエアのオフショア開発の委託先として不動の地位を築きつつあるインド企業が,LSI設計やボード設計などのハードウエア開発でも存在感を増し始めた。

 機器メーカーがハードウエアとソフトウエアの機能分割に代表される機器開発の根幹部分をインド企業に委託する動きが,数年前から米国企業で始まり,1~2年前から欧州に飛び火しているという。そして,ここにきてその波が日本企業にも押し寄せている。

 日本メーカーの間には,これまでも自らハードウエアとソフトウエアを機能分割した後に,ボード設計といった機器開発の一部をインド企業に任せる動きはあった。最近になって,より付加価値が高い開発工程をインド企業に委託する流れができつつある。こうしたインド企業への依存にはますます拍車が掛かりそうだ。設計受託大手のインドWipro Technologies社によれば,「日本のある携帯電話機メーカーが,仕様だけを決めて,実際の機器設計を丸ごと我々に委託することを検討している。2007年か2008年に発売する製品を念頭に,2006年後半から我々が設計を開始する方向で検討している」(ウィプロ・ジャパン)という。