アイドル状態のCPUコアにスレッドを動的に割り当てるための専用ハードウエアを備えたマルチコア型マイクロプロセサが2007年末に登場しそうだ。ファブレスのマイクロプロセサ・メーカーである米Boston Circuits,Inc.が開発を進めている。同社が手掛けるのは,32ビット CPUコア「ARC 750D」を8~16個搭載するSMP(対称型マルチプロセシング)構成のマイクロプロセサ「gCORE」。その論理回路の動作を,FPGAを使って検証したことを明らかにした。

 Boston Circuits社は,2007年末に16コア品の量産出荷を開始することを表明している。90nmルールで製造し,CPUコアの動作周波数は600MHzを予定する。その際の演算性能は1万4000MIPS(Dhrystone換算)になる見込みだ。目標とする消費電力は20W以下。デジタル複合機やホーム・サーバーといった,ネットワーク機能と画像処理機能を備える機器への搭載を想定する。

 今回Boston Circuits社は,ソフトウエアがどのように動作するかを検証したいと考える機器メーカーに向けて,4コア構成の設計データを2個のFPGAを使って実装した。CPUコアは約9MHzで動作する