日経ものづくり 詳報

金型加工の最前線に見る低コスト技術
次世代複合加工や長寿命の金型鋼が登場

金型加工技術展「INTERMOLD2006」から

 金型加工技術展「INTERMOLD 2006」で,複合加工機と金型鋼の低コスト化技術が際立っていた。
 新型の複合加工機「CUBLEX-25」を開発したのが松浦機械製作所。立型マシニングセンタ(MC)をベースに旋盤機能を持たせた複合加工機に,新たに研削機能を追加したものだ。これにより,現行の複合加工機のMC部分による切削と旋盤部分による旋削に加えて,研削まで1台に集約させた。
 狙いは,段取りを省いてトータルの加工時間を短縮し,コストを削減することだ。ワークを1度クランプしたら,切削はもちろん研削が終わるまでユーザーはワークに触る必要がない。
 研削機能を実現するポイントは,C軸(Z軸周りの軸)にダイレクト・ドライブ・モータ(DDモータ)を採用し,最大回転数を3000rpmまで引き上げたこと。このC軸と工具を回す主軸を逆回転させることで研削する。主軸の最大回転数は1万5000rpm。ここでC軸を主軸とは逆に回転させると,両者の相対的な最大回転数は1万8000rpmとなる。ここで,主軸に砥石をチャッキングし,砥石工具とワークの相対的な最大回転数も1万8000rpmとなる。この高速な相対速度を利用してワークを研削する仕組みだ(図)。

日経ものづくり 詳報
図●松浦機械製作所の新型複合加工機「CUBLEX-25」で加工したワーク
内周のテーパ状の壁に研削を施した。