「2006年4月からは実際のビジネスを立ち上げていく」(インターネットITS協議会 事務局長の時津直樹氏)——。インターネットITS協議会(IIC)は,クルマからインターネットに接続するための標準化仕様を2006年3月28日に発表した注1)。机上の論理構築に終わらず,実車で動作検証した仕様であることを強調する。機器開発のコストと期間を削減できる上,異なる機器メーカーのカーナビであってもサービス事業者が同一のアプリケーションを提供できるようになるとしている。

 IICの仕様では通信手段も限定していない。携帯電話や無線LANをはじめ,自動料金収受システム(ETC)で使っているDSRC(狭域通信)など複数の通信メディアに対応できる。通信メディアはわずか数年で大きく様変わりするため,インタフェースだけを規定し,その時点で最も適した通信手段を利用する構えだ。今回の発表会では,通信メディアを自動的に切り替える「モバイルルータ」を用いて,携帯電話と無線LANを切り替えながらインターネットに接続するデモンストレーションを,実車を使って披露した。