日経オートモーティブ 解説

次世代の車載LAN「FlexRay」が2006年後半に実用化する。BMW社をはじめとして欧州メーカーが続々と搭載を始める。日本メーカーも採用に積極的だ。次世代の電子プラットフォームのインフラとなるだけに業界の期待は高い。

 ドイツBMW社が2006年後半に次世代の車載ネットワーク「FlexRay」を世界で初めて導入する(図)。サスペンションシステムに採用するもので、4輪のきめ細かな制御が可能になる。BMW社に続いて、ドイツAudi社やDaimlerChrysler社、米General Motors社も導入を検討している。
 Audi社は2008年頃に運転支援システムに導入する計画。DaimlerChrysler社は、ブレーキやサスペンション、パワートレーン、車両の基幹ネットワークへの導入を検討している。GM社もネットワークを2重化して信頼性を高められる点やネットワーク構成を簡素化できる点に興味を示している。

導入範囲が広がる
 BMW社の新しいサスペンションシステムのネットワークは、単に現在普及している「CAN」(Controller Area Network)を置き換えるものではなく「FlexRayを導入することで、全く新しいアプリケーションを実現する」(同社)ことを狙う。
 同社が導入するFlexRayネットワークは、5個のECU(電子制御ユニット)で構成し、中央の1個のECUが、周辺の4個のECUをFlexRayのネットワークを介して統合管理する。このシステムでは、米Freescale Semiconductor社(以下Freescale社)のFlexRayのコントローラと、オランダPhilips社のバスドライバを利用する。

日経オートモーティブ 解説
図●BMW社が初導入するFlexRayネットワーク
サスペンションシステムのネットワークに導入するもので、中央のECUが周囲の4個のECUを管理する。活用方法の詳細は現時点で公開していない。