日経オートモーティブ Market Watching

北米の中型セダンで「Camry」一人勝ち
Hyundai社が20%強の伸びで追い上げる

 2005年の北米ミッドサイズセダン市場では、トヨタ自動車の強さが目立った。販売台数トップの座は43万1703台の「Camry」が譲らず。平均月販台数は3万6000台弱と1月に国内で発売した新型「カムリ」の月販目標台数の36倍にも上る。さすがに2006年1月と2月に限れば全面改良直前のため販売は落ち込んだが、新型に切り替わる3月以降盛り返すことは確実で、車種追加や販促策も準備している。
 まず、5月には「Camry Hybrid」を年間5万台規模で投入する。昨年のホンダ「Accord Hybird」の販売台数1万6826台からみればその台数の多さが分かる。さらに、2007年からは米国で最も人気の高いモータースポーツ、NASCARのトップカテゴリー「NEXTEL CUP」にCamryを出場させる。トヨタの渡辺捷昭社長は「ディーラーからぜひ出て欲しいという声が多かった」とする。昨年まで参戦していたIRLインディカーに比べ、販売増に直接結びつくとの公算だ。
 一方、昨年「Accord(日本名インスパイア)」が2位だったホンダは、前年より台数が減った。リセールバリューを考慮してレンタカー事業者向けの販売を控えており、顧客のロイヤリティを高めることを狙う。ただし、デザイン(特にリアビュー)が似るソナタの追い上げは確実に影響しているようだ。

Hyundai社が躍進
「Altima」を8.3%伸ばした日産自動車は11月発表の「Altima Hybrid」に期待する。米Ford Motor社はマツダ「アテンザ」とプラットフォームを共用する「Fusion/Five Hundred/Mercury Milan/Lincoln Zephyr」の4兄弟車を一気に市場投入した。
 韓国Hyundai Motor社「Sonata」は、台数はまだ少ないものの21.6%の伸びで存在感を増している。競合メーカーからの評価は非常に高く、カムリの開発担当者は「技術レベルは同等」、ホンダ関係者は「車内の静かさについて驚いた」と率直な感想を漏らす。今後Hyundai社は専売店比率を上げて販売増加を狙う。 

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NASCARに参戦を表明した
トヨタ自動車「Camry」のレースカー