「話を聞いてすぐに開発者に会う約束をした」(ある前面投射型プロジェクタの技術者)——。プロジェクタ技術者の関心を引きつける光源が登場した。住田光学ガラスが開発した,青色半導体レーザと光ファイバを組み合わせた白色光源である。例えば背面投射型プロジェクタ(リアプロ)の光源として利用すれば,「CRTモニタの色再現範囲の約2倍を実現できる」(同社)という。これはNTSC規格比で約140%に相当する。三菱電機が試作した,レーザ光源を利用したリアプロの約135%よりも広い。

 広い色再現範囲を達成できる理由は,この光源が発する赤/緑/青各色の光のスペクトル幅が狭く,単色性が高いため。加えて緑色光の波長が522nmと,最も色再現効果が高い520nm付近であることが大きい。