2006年2月27日~3月1日に米国フロリダ州で開催されたデジタル・カメラの総合展示会「PMA 2006」。その会場には,新たな付加価値の創出に懸命な日本メーカーと,割安な製品で着々と追い上げる海外メーカーの姿があった。各社を開発競争に駆り立てるのは,デジタル・カメラ市場の伸び悩みである。調査会社のテクノ・システム・リサーチによると,2005年に対前年比16%増の8500万台だったデジタル・カメラの世界生産台数は,2006年には同6%増の9000万台にとどまる見込み。ここで踏ん張らなければ,コニカミノルタのように,カメラ市場からの退出を余儀なくされそうだ。

 今回のPMAでは,今後の技術開発のトレンドを生み出しそうな機種が2つあった。1つは,コンパクト機の高感度化路線を一層明確にした富士写真フイルムの「FinePix F30」。もう1つは,光学ファインダーへの全面依存をやめた松下電器産業のデジタル一眼レフ機「LUMIX DMC-L1」である