「ここは台湾の展示会場か」――。そう錯覚するほど「Taiwan」の文字があちこちに目立つ。台湾だけではない。韓国や中国のメーカーも,負けず劣らず大きな存在感を示した。

 2006年3月にドイツ・ハノーバーで開催された世界最大規模のエレクトロニクス・IT関連の見本市「CeBIT 2006」では,台湾,中国,韓国からの出展者の合計が全体の2割超に達した。全体の4割強を占める地元ドイツ勢を別にすると,他の国・地域を圧倒する数である。特に伸び率が高いのが中国。2005年は474社だったのが,今回は580社と100社強増えた。

 これらの地域のメーカーは,エレクトロニクス・IT分野では後発といえる。それにもかかわらず,欧州の市場を積極的に開拓しようとする姿勢が各所でうかがえた。例えば韓国LG Electronics Inc.は,欧州市場での売上高が2003年から2005年で倍増し,2006年には16%の成長を見込むという。こうしたアジア勢の勢いとは裏腹に,日本企業の出展者数は24社と少なく,欧州市場での影の薄さを象徴するかのようだった