第1部<総論>
ドコモになりたいNTT
家電と固定網の連携狙う

 NTTをはじめ,世界中の通信事業者が 「NGN(next generation network)」を推進中だ。今後,デジタル家電などさまざまな機器がネットにつながることを視野に入れ,映像の配信や交換,家電の遠隔制御など新たなサービス提供の中核に, キャリアが構築/運用するネットワークを押し上げる狙いだ。キャリアのネットワークが生まれ変わることにより 「新市場を開拓できる」という期待がある一方で,「時代に逆行する」と言う関係者も少なくない。 

第2部<端末>
モバイル端末から
家電までがSIP端末に

 IP電話技術の1つであるSIPで構築する次世代ネットワークでは,携帯電話機からデジタル家電まで, 多くのネットワーク端末もSIPへの対応を迫られる。ホーム・ゲートウエイ以外にもメモリ容量やCPU能力,相互接続性など課題は多い。SIPへ対応することで生まれる付加価値の1つに端末の状態を示す「プレゼンス情報」がある。 この情報をうまく使えば,さまざまな新サービスが実現しそうだ。

第3部<通信インフラ>
通信機器はオープンに
「安くて高品質」を求める

 この数年の間に世界各地でNGNの導入が始まることからいわゆるキャリアが導入する通信機器の市場には「特需」が訪れる。導入する機器に対する通信事業者の要求は,従来の電話交換機に比べて大幅に安くて しかも電話交換機並みに信頼性があること。メーカーが参加する各種業界団体は通信事業者の要求に応えられる仕様を固め一部のメーカーはキャリアに対して納入を始めている。