「MediaFLOの利用こそが,携帯電話事業者にとって最も収益が上がる道と確信している」(米QUALCOMM Inc.,CEOのPaul E. Jacobs氏)。QUALCOMM社は2006年3月1日~2日,米国カリフォルニア州サンディエゴにおいてMediaFLOの施設公開イベントを開催した。送信局内部を初公開するなど,サービス開始に向けた準備が進んでいることを強調するためのものである。

 MediaFLOの商用サービスは2006年末にも米Verison Wireless社が700MHz帯を使って米国で始める予定。6MHzの帯域幅を使った場合,QVGAで30フレーム/秒の動画を20チャネル,AAC圧縮の楽曲データなら10チャネル分,リアルタイム配信できるという。このほかに「Clipcasting」と呼ぶ1日当たり最大800分相当のデータ配信が可能。QUALCOMM社は,「MediaFLOは帯域幅当たりの動画伝送チャネル数が他規格より多い。さらに動画配信だけではなく,データ配信などのさまざまなサービスを1つのプラットフォームで実現できる。提供できるサービスの幅が広いことが,DVB-Hなどとの相違点だ」と主張する。