中根 康夫
ドイツ証券 株式調査部 ディレクター アナリスト

薄型テレビの市場が急拡大しているが,大きな利益を確保できるのは一握りのメーカーに限られそうだ。世界レベルの競争の中で,国内パネル・メーカーの行方と国内テレビ・メーカーの行方はいかなるものか。最新の予想・分析データを基に考察する。

 薄型テレビの市場が予想を上回る勢いで急拡大している。特に,2005年に入ってからの伸びは猛烈である。2005年の液晶テレビの世界需要は前年比123%増の約2000万台,PDPテレビは同100%増の560万台になったと見られる。さらに,2006年以降の液晶テレビの需要台数の予測については,短期間に2回の大幅な上方修正を余儀なくされたほどである。

 市場の拡大だけでなく,画面寸法の大型化も想定より速く進んでいる。2004年~2008年におけるテレビ向け液晶パネルの総面積の年平均成長率は97%と予想しており,液晶テレビの需要台数の年平均成長率67%を大幅に上回る。

薄型パネル 大型投資競争の行方