将来的には角砂糖くらいの大きさの燃料電池で,ノート・パソコンを駆動できるようになる――。

 そんな実力を備えた固体酸化物型燃料電池(SOFC)を,産業技術総合研究所(産総研)が2005年1月に披露した。SOFCは,電解質にセラミックスを使った燃料電池のこと。発電効率が高く,さまざまな燃料を改質器を介さずに利用できることから,以前から注目を浴びてきた。ただし,従来のSOFCは動作温度が+800℃程度と高いため,大きな容積の断熱材を必要とするほか,高温に耐えられるNi系合金などの高価な部材を利用するため,用途は数kW以上の電力を必要とする工場などに限られていた。