赤外線を利用した近距離通信仕様「IrDA(Infrared Data Association)」の進化が続いている。操作の手軽さを見直す動きや,携帯電話での高速データ通信の需要が増してきたことから,従来の通信プロトコルの改良仕様「IrSimple」が策定された。この仕様を生かすために「FIR(fast infrared)」と呼ぶ高速仕様に対応する部品が,今後注目を集めそうだ。現在主流の「SIR(serial infrared)」対応品では,テレビのリモコン機能を持つ製品が急増している。いずれの領域でも主要部品であるトランシーバ・モジュールの出荷数は右肩上がりに増え,価格は下落が続く。モジュールの小型化も止まらない。出荷台数が多く,小型化への要求が強い携帯電話機への搭載が進んでいるのが主な理由である。最初の規格ができてから10年以上たつが,今なお改良が進む。 (野澤 哲生)