カメラの進化を,メカトロニクスとエレクトロニクスが両輪となって支えるようになって久しい。

 例えば「自動露出」。写真業界の老舗だったドイツAGFA社が1956年に考案した技術である。今では一般的なスチル・カメラに搭載されるようになり,シャッター速度から絞り値まで最適化している。「自動焦点」は1977年に当時のコニカが実用化に成功した技術で,瞬く間に一般化した。あらゆるスチル・カメラやビデオ・カメラに内蔵されるようになり,撮影者はピンボケの不安から開放された。

 そして,最近のカメラに広く浸透し始めているのが,撮影した画像のブレを自動的に安定化させる技術である。俗に「手ブレ補正技術」と呼ばれるものだ。