2006年,光源に発光ダイオード(LED)を使うプロジェクタが相次ぎ姿を見せ始めている。従来の高圧水銀(UHP)ランプの代わりに,R(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のLEDを光源として利用することで,例えば,前面投射型プロジェクタ(以下,フロント・プロジェクタ)の場合は,手のひらに載るほどに小型にでき,かつバッテリー駆動が可能になる。背面投射型プロジェクタ(以下,リアプロ)では,NTSC規格比100%を超える色再現範囲を実現できる。

 2006年1月に米国ラスベガスで開催された「2006 International CES」では,LEDを光源に利用することで,こうした特徴を備えたプロジェクタ(以下,LEDプロジェクタ)が一堂に出そろった。2005年から徐々に姿を見せ始めていた各社のフロント・プロジェクタが初めて勢ぞろいしたのに加え,これまで水面下で開発が進められてきた各社のリアプロが一斉に初公開されたのである。

 さらに,次世代品に向けて半導体レーザを光源に利用するプロジェクタの開発も進んでいる。より一層特徴を持たせた製品を実現するためである。光源の変化に伴い,今後,プロジェクタが大きく変貌しそうだ。