組み込み機器の使いやすさを向上する手法を紹介する連載の最終回。今回は,使いやすさを高めるために,典型的なユーザー層の使い方を想定したり,実際にユーザーの意見を聞いたりして設計にユーザーの意向を反映する「人間中心設計プロセス」を紹介する。 (金子 寛人=日経パソコン編集)

平沢 尚毅
小樽商科大学 商学部 社会情報学科
人間中心設計推進機構

 前回まで組み込み機器のユーザー・インタフェースの使い勝手(ユーザビリティ)を向上する原則を紹介してきた。第1回ではこの原則に基づく設計ガイドラインを活用することの有用性を説いた。第2回から第5回にかけては,原則の具体例として,ボタン操作や画面表示に一貫性を持たせること,ユーザーの操作に的確なフィードバックを返すことなどを示し,機器の設計がこれらの原則を満たしているかどうかをチェックリストを用いて確認すべきことを述べた。