神戸製鋼所と青山学院大学は共同で,従来の製品と比べて大幅に低コストで寿命が長い電磁波吸収シートを開発した。シートに用いる電磁波吸収材料のコストは,フェライト系粉末や合金粉末といった既存材料の数十分の1に当たる1000円/m2以下とする。加速試験の結果,今回のシートは屋外で30年~40年使えるという。

 開発した電磁波吸収シートの用途は幅広い。材料の充填率やシートの厚さによって,シートで減衰する電磁波の中心周波数を調整できるからだ。まずは今後市場拡大が見込めるETCシステムで,5.8GHzの電磁波が混信するのを防ぐ用途に向けるという。このほか無線LANで使用する2.4GHzでも利用でき,30GHz以下まで同等な減衰特性を持つので,固定無線アクセス(FWA:fixed wireless access)などでも使える。