アナログのビデオ信号をデジタル・データとして記録不能にすることで,コンテンツの不正なコピーを防止する──。ハリウッドにとって頭痛の種だった,いわゆる「アナログ・ホール」対策に向けた法案「The Digital Transition Content Security Act of 2005」が,2005年12月16日に米下院の司法委員会に提出された。この法案は,米Motion Picture Association of America,Inc.(MPAA)らの働き掛けによって同年11月に開催された公聴会で明らかになった草案の1つである。

 コンポジット端子やコンポーネント端子などアナログ・インタフェースの課題は,送信側の機器が一方的にコピー制御信号を付与するだけで,受信側の機器がそのコピー制御信号通りに動作するかどうかは保証できないことである。そこで今回の法案では,受信側の機器にコピー制御信号への対応を法律で義務付けることにより,不正コピーができる余地を減らそうとする。