日経ものづくり 詳報

三共製作所,直交軸の減速機を開発
転がり接触でバックラッシなし

高精度を要求される生産設備に使う

 三共製作所(本社東京)は,バックラッシのない直交軸の減速機を開発した。「RollerDrive」の商品名で2006年1月10日に発売する(図)。横に取り付けたサーボモータから垂直軸のタレットを回し,ロボット用旋回軸,任意割り出しテーブル,平行リンク式のX-Yテーブルなど,高精度を要求される生産設備に使う。
 構成はウオーム減速機に近い。ウオームギアに相当するところにローラ・ギア・カムを使い,ウオームホイールに相当するものがタレットだ。ウオーム減速機では歯面が滑るのに対し,「RollerDrive」ではタレットの外周に回転するカムフォロアを並べ,転がり接触で力を伝える。
 カムフォロアはころ軸受で支持しており,スラスト方向の力は受けない。カムの歯一つをカムフォロアが両側から挟むようにして力を伝える。つまりフォロアはカムと1カ所だけで接触する。ギアの歯では,押し合う側は密着するが,反対側にすき間のできる瞬間があるため,バックラッシが発生する。これに対して「RollerDrive」ではカムとカムフォロアを完全に密着させておけば,バックラッシは発生しない。
 完全に密着させるために入力軸の位置を微調整する。入力軸を支持する軸受を,その軸に対して偏心した円形のカラーに取り付ける。カラーを回転させれば予圧を変えられる。

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図●「RollerDrive」の外観,右がモータ