日経ものづくり 万華鏡

蒸気「機関車」ではなく
蒸気機関「車」

ドイツBMW社が変わったエンジンを開発している。「Turbo Steamer」は,ガソリンエンジンなのだが排熱で蒸気機関を動かす。基本はガソリンエンジンの排熱で作動する閉回路のランキンサイクル。排熱は全部で四つの熱交換器で回収する。排ガスが持ち去るエネルギの80%を回収できるというから驚きだ。写真は試作装置の温度分布を示したもの。排気マニホールドから排出される高い温度の排ガスは,熱交換器によって熱を吸収されるので,外に排出されるときはほぼ常温。よって,マフラーに触ってもヤケドをしないという証拠の写真だ。

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太陽光発電だけど
ソーラーパネルは使わない

米国・カリフォルニア州のモハベ砂漠で,壮大なプロジェクトが進行している。広大な砂漠に降り注ぐ太陽光を利用する巨大な発電施設の建設だ。ただし,太陽光を利用するといってもソーラーパネルによる発電ではなく,太陽光による熱でスターリング・エンジンを駆動し,その動力で発電するというもの。直径11.3m(37ft)の集光鏡を使って集めた熱を,エンジンのピストンに伝達し,その熱によって作動気体(水素)を膨張・圧縮させる。

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