テレビ・チューナは,最近のデスクトップ・パソコンではもはや「標準」機能となった。しかし,家電と違いパソコンは起動に1分間以上もかかるという弱点を抱えている。これまでパソコン・メーカー各社は,Windows XPのほかに,LinuxやWindows XP Embeddedなどの別OSを搭載するといった対応を採ってきた。テレビの表示機能などをこれらのOS上に振り分けることで,家電と同等の起動時間を実現する。ところがこうした手法では,テレビ視聴の途中でいざインターネットなどを使いたいとなると,わざわざパソコンを再起動してOSをWindows XPに切り替える必要があった。

 NECは2005年12月19日,この問題の解決を図った地上デジタル放送対応パソコンを発表した。同社が「ぱっと観テレビ」と呼ぶ技術で,電源ボタンを押すと,2秒後にテレビ映像が表示される。同時に,その裏側でWindowsが起動し,ユーザーが気づかぬうちに,Windowsの操作が可能になる技術である。番組の録画やインターネットは,Windowsが起動した後に使える。