R(赤色),G(緑色),B(青色)の発光ダイオード(LED)を光源に利用したプロジェクタが,2006年から続々と登場しそうだ。先陣を切って,同年1月に東芝と韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.がそれぞれ前面投射型プロジェクタを発売する。

 従来の光源である高圧水銀(UHP)ランプの代わりにLEDを利用することで,実にさまざまな利点を確保できる。例えば寿命。一般に1万時間前後で交換が必要になるUHPランプに対し,LEDは倍以上持つ。瞬時のフル点灯も可能になる。UHPランプは「点灯してから所定の明るさになるまでの時間がかかるほか,消灯後に冷却が必要なため,再点灯にも時間がかかる」(あるプロジェクタ・メーカーの技術者)。水銀フリーにもなる。

 中でも,LED光源を採用する前面投射型プロジェクタの最大の特徴となりそうなのが,小型かつバッテリー駆動が可能になる点である。高電圧の供給が不要になり,電源回路や放熱機構などが簡易になるほか,従来は光源からの白色光をRGBに分離するために備えていたカラー・ホイールなどが不要になるためだ。