「2010年までに年産120MWとし,世界の上位メーカーの仲間入りを果たす」(フジプレアム 常務取締役 ソーラークリエイト事業部 クリーンエネルギー担当の手塚博文氏)。既存の太陽電池に比べてSiの使用量を1/5に減らすことができるという,球状Si太陽電池が事業化に向けて動き出した。同社は2006年にも月産250kWで商用生産を開始し,2007年にはセルとモジュールの一貫生産工場を立ち上げて月産1MWの本格生産へ移行すると発表した。詳細は非公開だが,京セラも2006年度中の出荷を目指して量産技術の確立を進めているという。

 太陽電池は欧米を中心に需要が拡大しており,Si材料の不足とそれに伴う価格上昇が顕著になっている。太陽電池メーカーはSi材料メーカーに増産を呼び掛けているものの,需要の変動を恐れるSi材料メーカーは大規模な設備投資には及び腰だ。球状Si太陽電池は,こうした危機を打開する技術として注目を集めている。