プログラミングの効率やシステムの性能を高めることを狙ったソフトウエア実行環境の変化が,デバッグ環境をより複雑なものに変えようとしている。仮想記憶方式を採るOSやマルチコア構成のマイクロプロセサを組み込み機器に採用すると,従来のデバッグ環境では効率よく作業できないためである。こうした中,京都マイクロコンピュータは,Linuxとマルチコア型マイクロプロセサで実行する組み込みソフトウエアを想定したデバッガ・システムを開発した。OSが生成する複数のプロセスや,複数のCPUコアで並列に実行するOSおよびプロセスを1つのJTAG-ICEで同時にデバッグできるのが特徴である。このために「仮想化」の考え方を導入した。デバッガの仮想化技術や,それによってLinux環境やマルチコア環境のデバッグをどう実現しているのかについて解説してもらう。 (竹居 智久=本誌)

植田 省司
京都マイクロコンピュータ 戦略マーケティング部長
辻 邦彦
京都マイクロコンピュータ 東京オフィスゼネラルマネージャ
塚越 勲
京都マイクロコンピュータ 取締役開発部長
山本 彰一
京都マイクロコンピュータ 代表取締役社長
神田 良一
京都マイクロコンピュータ 開発部