今回で53回を数える半導体回路技術の国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)2006」。投稿論文の件数は年々増える傾向にあり,前回の578本から680本と急増した。これに伴い論文採択率は下がり,今回の採択率は37.5%と前回の40.3%に比べて下がり,一段と狭き門になっている。
厳しくなっているのは,採択率だけではない。プロセス技術の微細化など技術の成熟度が高まるにつれ,最先端技術の開発についていける体力を持った企業や研究機関が限られるようになっている。アジア地区の技術者で構成するISSCC極東委員の1人である富士通研究所・システムLSI開発研究所の田村泰孝氏は「高度な技術を開発するための投資に見合った成果が得られにくくなっている」と開発現場の事情を解説する。