5個~100個程度の少量のチップを安価に試作できるサービス,いわゆる「シャトル・サービス」が注目を集めている。実際,海外の大手シリコン・ファウンドリーや,高性能ICの供給実績がある大手半導体メーカーが,相次いでサービス提供に乗り出している。

 少量のチップを安価に試作できるのは,1枚の半導体ウエハーに複数の顧客の回路を作り込むことで,マスク代をはじめとしたチップの開発費を従来の1/5~1/15に削減できるからである。技術力に自信がありながら資金力に限りがある機器メーカーや半導体メーカーの研究開発部門,設計ベンチャー,大学,各種研究機関などにとって,自ら考案した回路やコンセプトを実際のSi上で検証するための力強い手駒になる。 (大石 基之)