米Peregrine Semiconductor Corp.は,マルチバンドの携帯電話機に向けたアンテナ・スイッチを,CMOS ICで実現する技術を開発した。従来は複数のPINダイオードやGaAs製の化合物半導体を組み合わせて実現していたが,今回の技術を使えばそれが1チップで済む。W-CDMAとクワッド・バンドのGSM兼用機での利用を想定し,7経路の送受信に対応できる。W-CDMA方式の携帯電話機で利用する際の指標となる,3GPPの相互変調歪みの特性要求値もクリアした。CMOS技術を使うことから,将来はRFトランシーバICへの集積化や,フロントエンド部をCMOS技術でモノリシック化する際のカギとなる可能性を秘める。マルチバンド化が進む携帯電話機において,RF回路の小型化や低コスト化を実現する技術として,業界から大きな注目を集める。(蓬田 宏樹=本誌)

Rodd Novak
米Peregrine Semiconductor Corp.
Vice-President