第1部<AV技術のショーケース>
予約すら不要な録画機
次は地デジを全チャンネル

全チャンネルの全番組をひたすら録り続ける「全チャンネル録画機」。次のターゲットは地上デジタル放送の「全部録り」である。複数のHDTVチャンネルの転送・記録技術や高能率の符号化/復号化など現行のHDD録画機に向けた技術開発の行き着く先にある。これらの技術がそろう2010年前後には,多くのメーカーが製品を投入してくることになりそうだ。放送事業者は,HDD録画機による「CMカット」に危機感を募らせる。全チャンネル録画機は,放送というメディアの在り方を根底から問うものにもなるだろう。

第2部<8チャンネル録画実現へ>
録画機を安く,小さく
続々現れる実現技術の芽

デジタル放送対応の全チャンネル録画機の要素技術は,現行HDD録画機などの開発の中で磨かれつつある。ストリームの入出力制御やバックエンドLSI,チューナなどの進化が今後の焦点となりそうだ。入出力制御では,マイクロコントローラやメモリを節約する技術が次々と現れている。バックエンドLSIでは同時に扱えるストリームの数が増えつつあり,次の焦点はトランスレートやトランスコードに移りそうだ。チューナは,デジタル放送対応によりシリコン・チューナの採用が見えてきた。