連結の従業員数が1万5000人を超える帝人グループの中で、およそ2割を占める人員が携わっているのが医療用医薬品、在宅医療機器などのヘルスケア事業である。さらに近年は、グループ内のIT事業も躍進。こうした中、2014年11月に発表された帝人グループの修正中期計画では、グループ内の成長エンジンでもある高機能素材・ヘルスケア・ITの事業間融合による新規ビジネス創出の方針が打ち出された。

 2015年6月23日に開催されたデジタルヘルスAcademy「『ヘルスケア×ソフトウエア』の規制からビジネスまで」(主催:日経デジタルヘルス)では、帝人でITとヘルスケアの融合領域の事業に携わる、同社 ITヘルスケア・プロジェクト プロジェクト・リーダーの濱崎洋一郎氏が講演した。

帝人の濱崎氏
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 ITとヘルスケアの融合として、帝人が2015年3月にスタートしたのが睡眠総合サービス「SleepStyles」だ(関連記事)。もともと帝人では、在宅医療機器の主力製品として睡眠時無呼吸症候群の治療に使われるCPAPを手がけていることから、「土地勘がある睡眠の領域で、不眠症なども含んだいろんな問題を抱えているユーザーに対するサービス展開を考えた」(濱崎氏)。

 濱崎氏は、国民の5人に1人が睡眠に問題を抱えているとした厚生労働省の資料を紹介。「問題を抱えている人口が広大なこと、問題を自覚している人が少ないこと、他の健康領域と密接に絡むこと」を睡眠領域の特性として挙げた。

 SleepStylesは、睡眠情報に特化したWebマガジン、アプリ、サービスをひとまとめにしたもの。帝人では、サービスの加速化とユーザーへの分かりやすいアプローチを重視し、自らがサービスを牽引するのではなく、各分野で実績のあるベンチャー企業とコラボする形を選択した。