BEMS(ビル・エネルギー管理システム)を導入するのが難しいビルでは、どのように省エネルギー化を実現していくべきなのか。無線センサーネットワークの活用がカギを握ると、ダイキン工業の西野淳氏が説いた。NMEMS技術研究機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による共同研究事業「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」(2011年度~2014年度)の最終成果報告会(2015年2月26日開催)における「中小オフィス用グリーンセンサネットワークシステムの開発」と題する講演から構成した。

講演するダイキン工業の西野 淳氏 
(撮影:著者)
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 ビルにおける省エネルギー化システムとして、BEMSの導入が進んでいる。BEMSを積極的に導入しているのは、新築の大規模なビルが中心となっている(図1)。省エネ法などの法規制などが影響し、総面積が5000m2未満の中小規模のビルへの導入は、なかなか進んでいない。

図1●総面積5000m2未満の中小規模のビルが消費電力の7割
(図:ダイキン工業の西野氏)
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 一方、日本全体のビルにおける消費電力は、中小規模のビルが約7割を占めている。中小規模のビルの省エネ化を積み重ねていく方が、日本のビル全体の省エネ化に寄与する余地が大きい。

 そこで、中小規模のビルに導入しやすく、従来に比べて10%以上の省エネ効果を実現できる無線センサーネットワークを開発、検証した。