「着工遅れ」への対応にも有効
例えば、出力1MWのメガソーラーで「ソーラーキーパー」を採用した場合、設置する架台一体型の基礎は750~1000基以上になる(図5)。
この引き合いに対して、受注する企業だけでは生産が追い付かず、納期に間に合わない恐れがある場合、納入先に近い会員企業と分担し、必要な量を収めることになる。
不二高圧コンクリートの下田洋次取締役によると、この協力体制は、メガソーラーの着工が遅れる案件で、とくに有効に機能するという。
経済産業省による設備認定、電力会社による接続承諾を得ていても、資金調達に苦労し、着工が予定より遅れる場合も多い。
こうした案件では、連系予定日は遅らせない場合が多く、工期が短縮される。「ソーラーキーパー」の製造開始の時期も後ろ倒しとなる。会員企業間で分担していれば、こうした短納期にも対応しやすい。
また、リピート受注によって、遠隔地に2件目以降を納入することになった場合、その発電所に近い地元の会員企業を紹介したり、OEM(相手先ブランドによる製造)や納入まで依頼できる。
例えば、不二高圧コンクリートが受注した、北九州市の新門司にある出力4MWの案件では、同社のほか、会員企業の大建コンクリート(大分県杵築市)とカワノ工業(山口県柳井市)の3社で納入した。山口県厚狭にある出力5.3MWの案件は、地元のカワノ工業が納入した。