冬は融雪、夏は冷却して、発電量を増やす

 敷地内に取り付けた降雪センサーによって、雪が降り出したことを検知すると、自動的に噴射ノズルから勢いよく水を吹き付ける(図3)。パネルに降った雪は、水に吹き飛ばされながら解け、水とともに下の池に流れ落ちるという(図4)。稼働してすでにひと冬を超したが、「パネルの上に雪に雪が積もることはなく、除雪作業は全く必要なかった」と、富山県企業局水道課の山本誠二主幹は、この冬を振り返る。

図3●5度に設置したアレイの上から散水する(出所:日経BP)
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図4●噴射した水はパネルの下の沈殿池に流れ落ちる(出所:日経BP)
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 また、夏には、太陽光パネルの裏に取り付けた温度センサーが50℃を検知すると、1分間散水し3分間停止し、また1分間散水して3分間停止…という動作を、温度が50℃以下に下がるまで自動的に繰り返す。導入した結晶シリコン型太陽光パネルは、温度が上昇すると発電損失が増して、変換効率が下がるという特性を持っている。山本主幹は、「散水して温度を下げることで、変換効率が10%程度、上がる」と見ている。