第1回は「インピーダンスマッチング」を取り上げます。最近、デジタル回路の動作速度が速くなってきて、今まで考えていなかった問題に直面するエンジニアが増えていると思います。そうした問題の一例がインピーダンスマッチングです。RFなどの高速アナログを仕事にしている方には当たり前のことですが、デジタル回路を中心に仕事をされている方には、悩みが1つ増えてしまったことになります。

 インピーダンスがマッチングって何なの。その答えは教科書にはこう書いてあるはずです。「伝送線路の特性インピーダンスと終端抵抗のインピーダンスが整合していること」。が、何を言っているのか理解しがたいものがありますよね。でもなぜ、インピーダンスマッチングが問題になるのでしょうか。

 インピーダンスが整合(つまり一致)していないと何が起こるのかと言うと、「反射」が起こります。つまり、今まで伝送路を通ってきた大事な信号が反射し、受信する回路に信号が伝わらなくなり、エラーや誤動作が発生するから問題になるのです。