「医療政策の動向から読み解く、これからの医療・介護業界の動向」――。

 2015年4月20日、六本木ヒルズ森タワーで開催されたグリーベンチャーズ主催のイベント「Digital Health Meetup Vol.2」。メディキャスト マーケティング事業部 課長代理の山口聡氏と濱中洋平氏は、冒頭の内容をテーマに、政策から見えてくる医療現場のビジネスチャンスなどについて語った。

 まず山口氏が、医療の今後の動向と政策の大きな流れについて解説。医療政策の話をしていく上で避けて通れないキーワードとして「2025年問題」を挙げた。

メディキャスト マーケティング事業部 課長代理 山口聡氏氏
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 この問題は、日本では2025年に「全人口に占める65歳以上の割合が30%を超える」「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる(2200万人超)」「65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症する」というもの。このような時代に入ると「現代の医療体制では支えるのが難しい」(山口氏)ため、「若者世代の負担が非常に重くなる」「終の棲家をどう確保していくか」「老老介護や認認介護が増える」などの問題が起きると予想される。

2025年問題の概要
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 さらに、高齢化の問題は全国一律で起こるわけではなく、「東京や関西、愛知など、人口が集中している都心部で大きく出てくる」と指摘。そこで国としては、石破茂地方創生担当大臣が中心となって都心部にいるアクティブシニア層を地方に送り出すような政策をスタート。代表的な例として、日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community)などが始まろうとしている。