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臨床情報の質にこだわったバイオバンク事業を支えるNCNPのバイオバンク情報管理システム

国立精神・神経医療研究センターがFileMakerプラットフォームでバイオバンク情報管理システムを構築・運用

2015/04/24 00:00
増田 克善=日経デジタルヘルス協力ライター

 国立精神・神経医療研究センターは、バイオバンク事業開始に伴い、FileMakerプラットフォームを用いた「NCNPバイオバンク」の情報管理システムを構築、2012年末に運用を開始した。運用スタッフのニーズや問診項目の追加・見直し、検体種別や症状評価の追加など、仕様や運用の変化に柔軟に対応可能なFileMakerによるシステムは、検体や臨床情報の質の高さを誇るNCNPバイオバンク事業を支えている。

世界有数の凍結筋肉バンクから発展したNCNPバイオバンク

 6つある国立高度専門医療研究センターの1つである国立精神・神経医療研究センター(National Center of Neurology and Psychiatry:NCNP)は、病院と研究所が一体となって精神・神経・筋疾患および発達障害の高度医療を提供するとともに、基礎研究、臨床研究、臨床試験などの実施を通じて、最新・最良の診断・治療法の開発を行っている。

 研究所および病院と連携した臨床研究の推進を担う組織として、2008年10月にトランスレーショナル・メディカルセンター(Translational Medical Center:TMC)が設立された。臨床研究の実践には生体試料(バイオリソース)と臨床情報を有効活用することが必要であり、主に生体試料の保管・蓄積と活用を行うTMC臨床開発部が、2015年4月に組織改編でメディカル・ゲノムセンターとして独立した。

 NCNPでのバイオリソースの保存と利用の歴史は古く、前身である国立武蔵療養所神経センターが発足した1978年ごろに遡ることができる。

 「当初、筋疾患の診断に際して生検のために採取した筋肉組織片を、患者さんの了解を得て、研究目的で凍結保存したのが始まりです。90年代に入ってからは病院に保存場所を整備し、研究所とともに利用する体制に移行しました。現在、凍結筋肉は年間800検体、総数で1万5000検体が保管され、世界有数の凍結筋肉バンクとして知られています」。メディカル・ゲノムセンター長の後藤雄一氏は、NCNPの検体収集の歴史と実績をこう誇る。メディカル・ゲノムセンターでは、凍結筋肉のほか、脳脊髄液、血液、尿などへバイオリソースを拡大し、保管・運用管理体制を整備している。

メディカル・ゲノムセンター長の後藤雄一氏

 一方、NCNPを含む6つの国立高度専門医療研究センターは、2011年度にナショナルセンター・バイオバンク・ネットワーク(NCBN)を組織し、各センターが主体的に進めるバイオリソース整備の拡充を行うとともに、共通のバイオリソース収集の仕組み(共通プラットフォーム)を構築。連携する医療機関などとともに共同研究推進を幅広く支援する取り組みを開始している。国立国際医療研究センターに中央バイオバンクを置き、各センターが保有する試料のカタログ情報を公開して、医療・研究機関が検索・利用する環境を整備した。NCNPも2012年度末から、NCBNで検討した検体収集や保存、データ収集や管理法、倫理規定などの共通フォーマットにのっとった収集・管理を実施している。

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