近年、急速に注目を浴びつつある「健康経営」という概念。企業・自治体が市民や従業員の健康に着目し、健康への投資を促す仕組みづくりを目指すもので、「日本再興戦略」(2014年改訂版)にも明記された成長戦略の一つである。

 こうした機運の高まりを受け、2014年6月に日経BP社、日本生産性本部、電通の主催により「健康経営フォーラム」が発足。2015年3月19日、同団体による特別シンポジウム「~健康経営2.0 新たな企業価値創造の時代~」が、東京・本郷の伊藤謝恩ホールで開催された。

松本市商工観光部部長 健康産業担当の平尾勇氏
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 基調講演では地方自治体、中央省庁、学術機関がそれぞれの立場から健康経営に関する実践事例や取り組みを紹介。最初に、長野県松本市の商工観光部部長 健康産業担当(世界健康首都会議実行委員長)である平尾勇氏が登壇し、「『健康』が創り出す企業価値と地域価値~松本ヘルスバレーの挑戦~」と題して講演した。

 松本市では以前から、「健康寿命延伸都市の創造」を市政の柱として掲げている。2011年からは毎年「世界健康首都会議」を開催するなど、健康に意欲的な都市として知られる。