北海道札幌市を拠点に活動を続けるNPO(特定非営利活動法人)「北海道地域ネットワーク協議会 NORTH」(以下NORTH)。もともと道内各大学間をインターネットにより接続する研究から始まったNORTHは、その後の働きかけにより道内の企業・団体から個人にまで加入会員が拡大し、産官学交流の場としても機能している。

 NORTHでは平成7年(1995年)と早い段階からインターネット・シンポジウムを開催しており、今年で21回目を迎えた(場所は北海道大学学術交流会館小講堂)。今回のテーマは『地域住民視点によるクラウド・コンピューティング資源の利活用』。2015年2月26日~27日の2日間にわたり開かれたシンポジウムの中で、初日となる26日は医療・社会福祉・健康分野を軸に発表が行なわれた。

 この日のヤマ場となったのが、スピーカーによるパネルディスカッション。参加したのは釜江常好氏(東京大学、スタンフォード大学名誉教授)、赤羽根直樹氏(厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険システム高度化推進室長)、小笠原克彦氏(北海道大学大学院保健科学研究院健康科学分野教授)、藤野雄一氏(はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科長・教授)の4人である。司会は、シンポジウムの旗振り役でもあるNORTH会長の辰巳治之氏(札幌医科大学大学院医学部医学科教授)が務めた。

パネルディスカッションの参加者。左から釜江氏、赤羽根氏、小笠原氏、藤野氏
パネルディスカッションの参加者。左から釜江氏、赤羽根氏、小笠原氏、藤野氏

 ディスカッションのテーマは『ICT資源の利活用による新時代の地域完結・自律循環型福祉社会実現へ向けて』というもの。まずは参加者それぞれがテーマに照らしあわせた内容を語った。