「ウエアラブルデバイスとITシステムを高度に連携させれば、多忙なビジネスパーソンが煩雑な作業から解放され、創造的な業務に集中できるのではないか」。NTTコムウェアは、こんな仮説の下でウエアラブルデバイスと連携するシステムの開発を進めている。同社が想定しているのは、例えばこんなシーンだ。

 たくさんの顧客を抱える営業担当者。新商品のプレゼン資料を作っていると、ブルブルッという振動を感じた。腕に着けているウエアラブルデバイスに目をやると、飛び込んできたのは「客先訪問」の文字。ディスプレーには、ここから客先までの経路も表示されている。賢いウエアラブルデバイスのおかげで、会社を出る直前まで資料作成に集中できた――。

 現状では、スマートフォン(スマホ)やパソコンで経路や出発時刻を調べる人が多いだろう。確かに便利だが、それを利用するには作業を中断しなければならない。ただでさえまとまった作業時間を確保するのが難しい現代のビジネスパーソンにとっては、経路を調べる時間さえ惜しい。ITシステムが“気を利かせて”事前に経路を調べ、ウエアラブルデバイスを介して通知してくれれば、こんなに嬉しいことはない。

NTTコムウェアが考えるウエアラブルデバイスの活用法
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 アラートを発したり情報を表示したりするだけなら、スマホで実現できるだろう。だが、スマホではユーザーが気付かない恐れがある。その点、体に密着するウエアラブルデバイスであれば、その心配は不要だ。NTTコムウェアは、そこにウエアラブルデバイスの可能性を見いだしている。