細分化した医療において新たな価値を生みだすのは、さまざまなデジタルツールやソーシャルメディアなどとの結合だ――。

 フリージャーナリスト、コンサルタントの林信行氏は、2015年2月8日に神戸市で開催された「第5回神戸医療イノベーションフォーラム」において、「21世紀デジタル産業革命×医療」と題して講演。デジタル技術を媒介にして、従来の医療やITの領域では定義できないところに新たな価値を創造した事例を紹介し「脱タコツボ」が医療にイノベーションを起こすと説いた。

フリージャーナリスト・コンサルタントの林信行氏
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 林氏は冒頭、旧三洋電機が事業部横断的なデザインセンターを立ち上げたことで、それまで事業部のデザイン担当者が抱えていた課題を解決した話題を例に挙げ、「自分の領域の課題の解が、実は半歩外の世界に見つかることがある」とした。その上で、領域にとらわれた固定観念が問題解決を阻害していることがあり、どの分野においても「タコツボ化」してしまっている今の日本の問題点を指摘した。

 そして林氏は、イノベーション=新結合だと強調し、デジタル技術との新結合により医療に新たな価値を生みだした事例を幾つか紹介した。