栃木県下都賀郡壬生町にある、出力2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が「大宏壬生太陽光発電所」である(図1)。

図1●出力2MWのメガソーラー「大宏壬生太陽光発電所」
(出所:日経BP)
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 足尾山地を源流とする思川に面した、壬生町の西端に立地し、JR小山駅からクルマで約40分ほどの場所にある。

 発電事業者の大宏(栃木県佐野市)は元々、採石事業を営んできた。メガソーラーが立地している土地はかつて、採石場だった。同社は、この土地での採石を終えるとともに、採石事業も売却している。

 この採石場跡地の有効活用として、メガソーラーの開発を提案し、建設したのが、NECネッツエスアイである。同社は、太陽光発電所開発のコンサルタントから、EPC(設計・調達・施工)、O&M(運用・保守)まで、一貫したサービスに取り組んでいる。

 NECグループのシステム構築会社で、国内外の通信・放送関連インフラをはじめ、鉄道や高速道路、最近では、電気自動車(EV)の充電システムなど、幅広い分野のシステム構築やO&Mを手掛けている。

採石場の跡地を有効活用

 大宏が所有する土地は、約8万m2あった。土地の約半分を使って、自社が発電事業者となる出力2MWのメガソーラーを開発した。残りの約半分は、ビルのメンテナンスなどに取り組むシービーエス(東京都港区)に貸し、シービーエスが出力2MWのメガソーラーを建設した。

 いすれのメガソーラーも、NECネッツエスアイがEPCサービスを担当した。ほぼ同時に建設が進み、2014年6月2日に大宏側、同年7月17日にシービーエス側の発電システムが、それぞれ稼働を開始した。

 大宏側の2MWのメガソーラーの特徴は、稼働後のO&Mまで考慮し、20年間の発電ロスを、最小限に抑えることを目指した点にある。それでいながら、初期投資額も極力、抑えている。