医薬連携を支援する電子お薬手帳

 北星脳神経・心血管内科病院の田頭剛弦氏とDBPowersの有賀啓之氏は、「地域医療連携プラットフォームをiPadで強化」と題し、FileMakerをプラットフォームとする地域医療連携システム「DASCH Pro」を中心として構築した北海道北見市の「北まるnet」を紹介(関連記事)。機能強化し、実証実験を行なっている救急隊が利用する救急医療情報Pad、医薬連携を支援する電子お薬手帳について発表した。

北星脳神経・心血管内科病院医療情報管理室室長の田頭剛弦氏(左)とDBPowers代表取締役の有賀啓之氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 救急医療情報Padは、北まるnetの医療介護連携システムに登録された患者情報(病名、服薬、緊急連絡先など)を救急隊員が携行するiPadで参照するもの。「介護施設に出動したケースでは、現場到着後に救急隊員と施設担当者双方が短時間に医療情報を確認し合うことが可能」(田頭氏)という。同システムはさらに、日本臨床救急医学会の病院前救護(PCEC)のアルゴリズムを組み込んで運用する実証実験も展開する。

 医療機関の処方情報、薬局の調剤情報を共有する電子お薬手帳は、現場のデータ入力負担とコストを軽減するため北まるnetにデータを取り込む際に、医療機関側はレセコンの処方情報を、薬局は処方せんのQRコード(JAHIS規格)をスキャンして登録する仕組みとしている。薬局の薬剤師に北まるnetへの追記権限を与えるためにバーコード付きのIDカードを参加施設に配布している。また、患者の重複登録を防止するために国民健康保険番号を利用して世帯を特定し、絞り込みによる同姓同名を検出する手法を採るなどの工夫を行なっているという。