日経Automotive Technology誌(2015年1月11日発行号から「日経Automotive」に改称)は2014年、11社の自動ブレーキを対象に車両と歩行者に対する衝突回避性能を実車で評価した(関連記事1)。その結果、富士重工業の「EyeSight」が最高得点を獲得して首位だった。EyeSightについては同年3月に「ver.2」、10月に最新版の「ver.3」を試した(関連記事2)。ともに最高得点で、現時点でEyeSightを上回る性能に達したシステムはなかった。

EyeSight ver.2を搭載する富士重工業「XV」の試験風景
EyeSight ver.2を搭載する富士重工業「XV」の試験風景
車速30km/hで車両を想定したターゲットに向けて走らせた様子。自動ブレーキが動作し、約1m前で止まった。

 EyeSightの最新版は、本誌の試験で車両を模擬したターゲットに約60km/hで向かってもぶつかることなく、衝突を回避した。これほど高い車速で衝突を回避できたのは、ステレオカメラの性能を大幅に高め、物体を検知できる範囲をver.2に比べて、前方と左右方向でともに4割以上広げたためだと考えられる(関連記事3)。カメラの画素数を約30万画素から100万画素以上に増やしたことに加えて、レンズを改良して実現した。