本記事は、日経WinPC2010年9月号に掲載した連載「CPU今昔物語」を再掲したものです。社名や肩書などは掲載時のものです。

 1977年1月。米国・シカゴで開催されたConsumer Electronics Show(CES)の参加者は、驚きを禁じ得なかっただろう。それまでの“マイコン”と言えば、MITSの「Altair 8800」のような真四角のハコにLEDとスイッチが大量に並んだミニコンを模したものか、NECの「TK-80」のようにむき出しの基板に数値表示のLEDと16進キーボードが付いたものが一般的だったからだ。この今までの常識をくつがえす、新しい機器が登場した。

パソコン誕生期の状況
日本でマイコンキットが出始めたのが1976~1977年。そのころには既に、米国では最初の“パソコン”が誕生していた。
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