日経テクノロジーオンラインが厳選した、アナログ開発に役立つ情報を寄稿記事としてお届けする。執筆者は開発現場や、その近くを担当しているエンジニアが中心。技術の勘所、現場視点の技術トレンド、設計やトラブルシューティングのノウハウなど、さまざまな情報が提供される。
ゲストペーパー:アナログ
目次
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ダイオードエミュレーション技術で、降圧型DC-DCコンの軽負荷時効率を改善
降圧(バック)型DC-DCコンバーターは、古くからある回路トポロジーである。しかし、過去と現在とでは違いがある。変換効率の向上と総合性能の改善を目的に、常に新しい改良が加えられているからだ。 初期の降圧型DC-DCコンバーターの回路例を図1(a)に示す。この回路は、主電源スイッチがオフの時に、ダイ…
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低電圧大電流時代に不可欠なPWM制御IC
短オン時間での降圧変換に対応
最先端のDSPやFPGA、マイクロプロセッサーなどのデジタルICでは、電源電圧の低下と消費電流の増大が同時に進んでいる。こうした動きに伴って、電源(DC-DCコンバーター)回路を構成するPWM(Pulse Width Modulation)制御ICの選択が以前にも増して難しくなってきた。 いまや電源…
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クルマにはハイブリッド電源が向く
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横を上にして、電源の3課題を解決
POLコンバーターのインダクターの実装を見直す
FPGAやマイクロプロセッサー、ASICの性能や機能の向上が著しい。主要なアプリケーションであるサーバーやテレコム機器、データコム機器、ネットワーク機器、産業機器などの要求がますます高まっているからだ。
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ACアダプターの効率基準、2016年2月から一段と厳しく
米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)は、産業機器向け外部電源装置(ACアダプターや電圧変換器)に対する新たなエネルギー効率基準「レベルVI」を2014年2月に発表し、2016年2月に施行する予定である。新基準は、単に規制を厳しくするだけでなく、規制の対象範囲が拡大され…
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車載電源回路を理解する、SEPIC方式の昇降圧回路に着目
車載機器向けの入力電源は大幅に変動する。バッテリー電圧の変動はもちろんのこと、コールドクランク(5V以下)やロードダンプ(36V以上)等も起きる。このため車載機器の電源回路に対しては、広範な入力電圧への対応が求められる。 広範囲の入力電圧に対応するための手段は多様だが、その1つに、昇降圧型スイッチ…
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高分解能A-D変換器の基礎、ΔΣ変調器の動作を理解する
産業機器などの高精度測定やオーディオ信号の処理などに欠かせない24ビット分解能のA-D変換器IC。高分解のA-D変換を実現するのがΔΣ(デルタシグマ)変調技術である。
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充電は速く動作は長く、携帯機器のLiイオン電池はこうして保護
スマートフォンやネットブック、タブレット端末といった、ポータブル機器の急速な進歩により、Liイオン電池に対する要求が厳しくなっている。設計部門は、エンドユーザーの動作時間延長に対する要望だけでなく、機器に機能が追加されるに伴って増加する消費電力に対しても取り組む必要がある。このため、電池保護技術のさ…
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つなぎ間違えは厳禁、 アナログICの放熱用金属電極
ICパッケージの裏面に設けた金属電極(金属パッド)。ICダイの裏面から、外部のヒートシンクやプリント基板のCu(銅)金属面に熱を逃がす高伝導率の経路の役割を果たす。Texas Instruments(TI)では、この金属パッドを「PowerPad」と呼んでいる。これを使えば、オペアンプなどのアナログ…
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モバイル機器の電池寿命を延ばす方法、 昇降圧型コンバーターを活用
モバイル機器の電源回路にとって、バッテリー駆動時間と熱対策は極めて重要な設計課題だ。モバイル機器のハードウエア性能とソフトウエア性能のいずれも高まっているからだ。いまや、ウエブブラウザー機能や高解像度カメラ、大型の高精細ディスプレー、高速プロセッサー、第4世代(4G)通信機能などの搭載は当たり前だ…
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どうして、この部品をここに配置? バッファーアンプの帰還抵抗を考察
筆者は、若いエンジニアが設計した回路図や基板レイアウトをチェックする際に、いつも決まって行うことがある。それは、いくつかの部品を拾い出し、「なぜ、この部品を選んだのか」と尋ねるようにしていることだ。
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車載用DC-DCコンバーターのノイズ、擬似乱数スペクトラム拡散で低減する
クルマのノイズ規格は民生品に比べて厳しい。規格自身が厳しいのみならず、AMラジオの音声にノイズが入ってはならないことが求められる。このためDC-DCコンバーターのスイッチング周波数としてAMラジオの周波数帯以上となる2MHz以上が好まれるが、高速スイッチングの要求につながり、さらなる高周波ノイズの原…
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巻き返しを図る「攻めの一手」を探せ
QMEMSストーリー 第7回
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水晶デバイスの「未来」を築き上げる
QMEMSストーリー 第6回
岡野庄太郎氏は、進学した高校のラジオ部で無線技術に初めて触れた。鉱石ラジオや並4ラジオ、スーパーへテロダイン・ラジオの原理や作り方を学ぶ。戦後、間もないころ。街にはまだ、敗戦の影が色濃く残っている。しかし、岡野青年の瞳は、ひかり輝いていた。遠く離れた人の声を運ぶ小さな箱が、明るい未来を感じさせてくれ…
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SAR型A-D変換器ICの実力を引き出す、成功のカギはボードレイアウトにあり
高性能なデータ収集システムを設計する際、賢明なエンジニアであれば、シグナルコンディショニング回路を構成するアナログ・フロント・エンド部に必要な部品を慎重に選択することだろう。そして数週間を掛けて設計とシミュレーションを実行し、差し迫った納期に間に合うようにプリント基板(ボード)のレイアウト設計を短時…
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無線通信技術の発展を陰で支えた技術者
QMEMSストーリー 第5回
中沢祐三氏は、東北大学において、当時最先端技術だったマイクロ波通信を学んだ。「社会に出たら、大学で学んだマイクロ波通信技術の知識を生かし、戦後日本の復興に一役買いたい」。そう強く思った中沢氏は、社名に通信機が付く「東洋通信機」を就職先に選んだ。
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ローパワーで待機しながら、車載機器の異常を素早く検知できる回路を実現
車載機器では普段は動作しないが、センサーなどからのインプットがあって動作を開始する回路は多い。例えば、エンジン停止時に何らかの異常が発生した時点で、マイクロコントローラーが動作を開始し警報を出すシステムがある。この場合、異常発生を知らせるトリガーがあるまでは、電池の消費電流を最小限にしたい。そうでな…
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国内初の人工水晶の工業化
QMEMSストーリー 第4回
2005年にセイコーエプソンの水晶デバイス部門と統合され「エプソントヨコム」となった東洋通信機。この会社の歴史はとても古い。前身の事業体は1891年に設立されており、その後、通信機の製造を生業に発展してきた。技術力は高く、同社が製造した無線機は、第2次世界大戦で使われた戦闘機「零戦」に採用されたほど…
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意外な場所での会話が爆発的ヒットの糸口に
QMEMSストーリー 第3回
電子部品ビジネスの世界は残酷だ。多くのエンジニアと資金を投じて最先端技術を開発し、性能を高めながら外形寸法を半分にしても、決して価格を上げることはできない。実際は、外形寸法を半分にしたうえに価格も下げなければ、顧客には受け入れてもらえない。電子部品ビジネスでは、こうしたウルトラC級の対応が求められる…
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QMEMSのルーツ、ここにあり
QMEMSストーリー 第2回
時が経つのは早い。世界を驚愕させたクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン35SQ」の製品化から5年。すでに、クオーツ式腕時計は、人々の生活に欠かせない道具となっていた。広く普及したクオーツ式腕時計。そのトップ・メーカーだった諏訪精工舎を待ち受けていたのは、激しい企業間競争だった。それまでの優…