岡山県北部、美作市にある湯郷温泉は、1200年前に高僧・円仁法師が傷ついた一羽の白鷺に導かれ、発見したと伝えられる名湯。情緒ある温泉街には、趣のある旅館やホテルが立ち並ぶ。中でも「湯郷観光ホテルかつらぎ」は老舗ながらモダンな趣向が特徴だ(図1)。

図1●「湯郷観光ホテルかつらぎ」のエントランス(出所:湯郷観光ホテルかつらぎ)
[画像のクリックで拡大表示]

 120年前に建てられた宿泊施設は、古風な外観とは裏腹に、最新の環境技術を導入している。館内の照明にはLEDを使い、給湯は最新式の高効率ボイラーで沸かしている(図2)。いずれも昨春、楽天の提供するサービスの一環として導入した。

図2●照明をLEDに交換した(出所:湯郷観光ホテルかつらぎ)
[画像のクリックで拡大表示]

 同サービスは、新電力(PPS)からの電力調達や、初期投資の負担なしで省エネ機器を導入できるESCOサービスを組み合わせることで、エネルギーコストの削減を実現する。同ホテルを経営する尾高潤さんは、環境問題に関心が高く、「LEDと一緒に太陽光発電も始めたかった」と言う。だが、「自力で資金調達するのは難しく、将来の夢としてあきらめた」と言う。