このシリーズでは、中部電気保安協会の本店 保安部 太陽光プロジェクトチームによる、太陽光発電システムのトラブル事例や、それらのトラブルへの対応策、所属する電気主任技術者にどのように助言しているのかについて紹介する。同チームがまとめたトラブル事例集を基に、同チームの寄稿によって構成している。

 太陽光発電所では、太陽光パネルを直列に接続する「ストリング」単位ごとに、接続するパネルの枚数を揃えて、直流電圧を同じにすることが重要です。これによって、太陽光パネルからの出力を、無駄なく取り出すことができます。

 今回、紹介するのは、こうした太陽光パネルの直列接続の枚数が間違っていた事例です。

 太陽光発電所の稼働前に実施する「竣工検査」において、接続箱内でストリングごとの開放電圧を測定していたところ、ストリングごとの開放電圧に、大きなバラつきが生じている接続箱がありました。

 最初に想定した原因は、太陽光パネルの接続忘れでした(第9回)。しかし、大きなバラつきが生じているストリングのリード線の接続を確認しましたが、異常はありませんでした。