北海道旭川市の冬は、平年で約70cmに達する積雪に加え、日中でも気温が氷点下となる日が多く、降った雪は凍結して解けにくい。そんなメガソーラー事業には不向きと思われる地で、想定以上の発電量を生み出しているのが、出力1250kWの「旭川北都ソーラー発電所」だ(図1)。2013年11月に稼働した。
設計・建設から保守、発電事業を手掛けるのが、地元の電気設備会社、西山坂田電気(北海道旭川市)だ。「雪を滑り落とす効果がこれほど大きいとは思わなかった」と、同社の西山智・取締役経営企画室長は、「両面発電パネル」の効果に驚く。同発電所は、両面発電型の太陽光パネルを採用したメガクラスの発電所としては、世界初のサイトとなる(図2)。
「両面発電パネル」の採用に踏み切ったのは、「雪国では、雪に覆われて白くなるので太陽光が反射して、パネルの裏側にも太陽光が当たりやすい。裏側で発電できる両面発電の利点が大きくなる」(西山経営企画室長)からだ。加えて、パネルに雪が積もっても、晴れればパネル裏側に光が当たって発電し始め、パネルの温度が上がって雪が解けやすくなる。事前に想定していたが、その融雪効果は予想以上に大きいことがわかってきた。