「種無しキンカン」を1000本寄付

 四国GAの大塚博昭理事長は、「発電事業者のハンファQセルズジャパンからO&M(運用・保守)を請け負うことになった際、常駐の保安員を一人雇うことを認めてもらった」と言う。四国GAは当初、市民出資によるメガソーラー発電事業も検討したが、金融機関との融資条件が合わないなどの理由で断念。その後、徳島県のメガソーラー誘致プロジェクトに応募していたハンファQセルズジャパンと連携することになった。ハンファQセルズジャパンのキム・ジョンソ社長は、「発電所の建設にはできるだけ地元企業を使いたい。建設後もO&Mの業務委託を通じて、地元の雇用に少しでも貢献したい」と話す。

 同社は、地域貢献の一環として、「種無しキンカン」の苗木1000本を寄付した。苗木は太陽光発電所に隣接した遊休農地に植えられ、将来、収穫したキンカンは地元の食品加工会社が買い取ることになっている(図5)。これも四国GAの活動の1つで、遊休農地を所有する農家に対し、比較的、手間のかからない種無しキンカンの植栽を提案し、徳島の特産にすることで地域活性化を目指している。ハンファQセルズジャパンもその活動を支援する。

図5●種無しキンカンの苗木を隣接する遊休農地に植栽。草取りなどは岡本さんも担当(出所:日経BP)
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 ハンファQセルズ製の太陽光パネルは、現在、国内に設置された海外ブランドのパネルでは、トップシェアの実績を持つ(図6)。ハンファQセルズジャパンは、太陽光発電事業にも力を入れており、2014年中に合計出力で30MWのメガソーラーが完成する。その後も年間100MW分の建設を目指す。2015年にはEPC(設計・調達・施工)サービスにも乗り出す。「メガソーラーのビジネスでは、地元との協調を重視している。発電事業やEPC事業の中で、地元のパートナーと組み、連携していきたい」とキム社長は言う。

図6●ハンファQセルズ製の太陽光パネルを設置した(出所:日経BP)
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