飲料ボトルやステンレス製魔法瓶、真空保温調理器具などの家庭用品を開発するサーモス(本社東京)。2006年に本格的に3D-CADを導入したのに伴って、大幅に試作環境が変わった。3Dプリンタを導入したのである。

 それまで外部に依頼していた試作品の作製が開発部門内で可能になった。「従来は試作品の受け取りまでに約1週間はかかっていたが、現在は翌日には手に入るようになった」(サーモス開発部設計課マネジャーの松山真氏)。より手軽に試作ができるようになったため検討の幅が広がり、実物を目にする機会が増えた関係者からのフィードバックも充実。3Dプリンタの導入によって、開発効率が一気に高まった(図1)。

図1●「マイボトルドリンク drop」の製品(左)と最終段階の試作品(右)
サーモスがサントリー食品インターナショナルと共同開発した製品で、試作・検討に3Dプリンタは不可欠だった。